クレーム処理能力 #3

さて、前回「クレーム処理能力 #2」では企業を心配してくれるファンともいうべき顧客からのクレームについて述べました。そうした良心的なクレーマーもいる事は事実ですが、クレームの大半は金銭的補償を求めてくるケースです。むしろ、現実はそのように心配してくれる良心的な顧客ばかりではありません。事務的でも返品、返金、交換といった形でスムーズに対応さえすれば良いと考える顧客もいます。但し、事務的に対応するといっても企業側に非があるなら謝罪の言葉は絶対に忘れてはいけません。

 クレーム対応時において企業側に非がある事が明白な場合は、何をさしおいても謝罪しなければなりませんが、さて話を聞いただけでは判断できない場合はどうしたら良いでしょうか。商品に欠陥もなく、単に顧客の勘違いという事もあります。もし勘違いならばお互いに感情的になる必要もなく、顧客が納得するまで冷静に丁寧に説明する事が欠かせません。もし商品やサービスの利用方法について顧客への説明が不十分だったりした場合は、説明不足を詫びて納得してもらう事が必要になります。顧客に馴染みのない商品の場合、特に聞かれる事がなければ、顧客の一方的な理解のみで購入してしまうこともあります。その場合、別に企業側が嘘をついたり誤魔化して販売したわけではないのだから、厳密に責任はないともいえるでしょうが、やはり客商売で顧客満足主義、カスタマーサティスファクションを唱えるならば謝罪するべきです。
 それでも最近のクレームには過激なものも多くなり、企業側に落ち度がなくてもクレームをつけてくる顧客もいます。モンスターペアレントならぬモンスタークレーマーです。
 さて、過激なモンスタークレーマーにはどう対応したら良いでしょうか?これは非常に難しいのですが、大抵の場合はある程度の損失、出費は止むを得ないといわざるを得ません。こうしたクレーマーは時折、「誠意を見せないとネットに書き込むぞ、役所に連絡するぞ、保健所に告発するぞ」といった文句で脅しをかけてきます。本当にこうした行動に出るのかはわかりませんが、こうした強気のクレーマーは機嫌を損ねると本当にやりかねません。「誠意を見せれば」といって最初に要求した商品や金額が大したものでなければ、後々の事を考えて早々に手を打たなければなりません。数百円、数千円、数万円と欠陥に対して妥当な額であれば、販売コストと割り切って示談解決してしまった方が賢明です。もし話がこじれて本当に書込みされたり、役所や保健所に通報されでもしたらそれこそ当初の要求額では済まなくなります。過剰反応されて営業停止、査察、調査などが入ったりすれば、企業の信用は失墜してしまいます。信用は金で買えるものではなく、長期に渡る企業活動の積み重ねから生まれてくるものであり、一度信用を失ったら二度と取り戻す事のできない場合もあります。モンスタークレーマーには対応初期の段階で慎重に慎重を重ねたスピード解決が不可欠なのです。

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  1. まとめ【クレーム処理能力 #3】

    さて、前回「クレーム処理能力 #2」では企業を心配してくれるファンともいうべき顧客からのクレームについ

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