「自己都合」と「会社都合」の退職理由が与える失業手当への影響について

退職するにあたっては退職理由が失業手当の給付に影響します。

 

退職又は離職理由が「自己都合」なのか「会社都合」なのかによって、失業手当の支給時期・期間が大幅に異なります。「自己都合」は文字通り仕事が合わない、転職、家庭の事情など個人的理由による退職で、通常待期期間+3ヶ月の給付制限期間があります。一方、「会社都合」とは業務縮小、リストラ、倒産、廃業など事業主側の理由によって退職、解雇されたもので、待期期間終了後失業手当が支給されます。

 

雇用保険の失業手当だけを考えれば、「自己都合」より「会社都合」の方が良い事は間違いありません。例えば、雇用保険を10年間掛けていた場合の退職は、「自己都合」なら給付日数は120日ですが、「会社都合」なら240日と2倍にもなります。

 

ですから失業手当を受給するには「会社都合」の方が有利である事は間違いありませんが、再就職にあたっては必ずしも有利とは限りません。倒産や廃業による会社都合退職なら個人の問題とはいえないので、次の仕事探しにも悪影響はないはずです。また、リストラといっても50歳以上一斉大量解雇など、能力の有無に関係なく辞めさせられた場合などは退職理由による差別はないと思われます。

 

しかし、リストラによる指名解雇など個人の資質、問題を疑われる「会社都合」の退職は再就職の妨げになる場合もあります。会社から発行される「離職票」を面接先の会社が見る事はありませんが、履歴書や面接から前職調査を行う場合があります。前職場に応募者の退職理由、勤務状況、性格などを問い合わせたりします。必ず問合せされるとは限りませんが、前職場で「会社都合」退職の場合、もし問合せされれば採用に不利な回答をされる可能性が少なくありません。

 

一方、「自己都合」なら一身上の都合で退職という事になり、円満退職していれば前職調査でも差し障りが少ないかもしれません。どちらが良いとも一概にいえませんが、会社との相談又は交渉により変更できる場合は、退職後の生活や就職活動を考慮して総合的に判断する必要があります。

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