クレーム処理能力 #1

仕事の能力の棚卸しをする中で、能力の一つとして「クレーム処理能力」が挙げられます。今回は突然ですが、クレーム処理能力」について述べてみます。会社の受付、電話番、接客、営業など、どんな職種であれ顧客と接する仕事をしていればクレームはつきものです。製品の販売、サービスなどで不特定多数の顧客を相手にする以上、100%の確率で全員が満足するとは限りません。製品販売でいえば、工業製品、生鮮食品などどうしても一定の割合で不良品が発生する場合があります。こうした不良品は原則意図的に出る事はありませんが、確率的にはどうしてもゼロにはならない以上、発生した場合の対処の仕方が問題となる。これはどんな商品やサービスを扱っていても避けては通れない問題です。

 では「クレーム処理」をするには何が一番大切でしょうか?それは「顧客の気持ちになって考える事」です。クレームをしてきた顧客の立場になって考えれば、まずほとんどのクレームは解決できるはずです。企業である以上益を追求するのは当然で、確かに一々クレームで返品・返金等の対応をしていれば損失になります。企業にとっては商品代金のみならず、代替品、サービス、送料やそれに携わる手間も重なり、コストがかかる事は間違いありません。
 しかしながら、長期的にみればクレームにきちんとした対応をする事によって目先のコストより、将来の利益を失わずに済む事になります。例えば、ある製品を500円で購入した顧客が些細な不具合があると訴えてきたとしたらどうするでしょうか。ある店舗は製品には不備はないし、面倒くさいので、不良品ではないと突っぱねる事もあるでしょう。しかし、目先の500円、手間を惜しんだばかりに、後の数万円、数十万円の売上を失う事もありえます。顧客一人には家族、友人、職場の仲間など何人ともつながりがあるし、影響力もあります。不適切な対応をされれば、その顧客だけではなく、周囲の数人、数十人の顧客を失う事にもなりかねません。クレームをした本人は不適切な対応をされれば、もう二度とあの店で買うものかという事にもなるし、不快な思いをしたその店を周囲の人に言いふらすかもしれません。仮に、積極的に悪口を言わなくても進んで勧めてくれる事はまずなくなるでしょう。だとすれば、一人のクレーム、たった一つのクレームはとてつもなく大事なものとなる事は明白です。たった一つのクレームに適切に対応できるかどうかで、企業の運命を左右するといっても過言ではありません。
 企業なら距離や形に違いはあっても必ず顧客と接点があります。自分がどんな立場にせよ、クレーム処理の重要性は認識しておかなければなりません。

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